べっぷブルワリー/ゆあがりピルス‐Yuagari Pils 330ml
誰もが湯あがりに飲みたいと思えるようなピルスナー。火照ったカラダにドライ・クリスプで、軽いけど物足りなさを感じさせないボディーと苦み。
3種類のモルトを使用。3種のモルトはピルスナーモルトを中心に、単調になりすぎないよう少しハニー寄りなグラデーションでまとめました。ホップにはSaaz, Tettnanger, Mandarina Bavarinaを多めに使用。ノーブルホップのフローラルさに主張しすぎない柑橘を合わせました。
ラベンダーのようなフローラルさとやさしめなシトラス香が同時に感じられ、上品な印象。さらにピルスナーモルトらしいライトな香りと抜けにハニー感が残ります。軽くグビグビと飲めるピルスナーは火照った身体に流し込みたいビールと仕上がっています。
家で風呂上りに飲むビールと言ったらやはり大手のラガー・ピルスナーではないでしょうか。湯上りクラフトビールをコンセプトにビールづくりに取り組む私たちも、大手ビールの圧倒的な完成度と作る際の手間の多さにひるんでしまいますが、湯あがりに皆様が期待するビールといえば外すわけにはいかないビールとして醸造に踏み切りました。ただし、作るなら別府ブルワリーらしさが必要で、軽くて飲みやすいけど大手ビールとは違う体験を作るために、今回はホップにこだわりました。ホップは多めに投入し、さらにヘッドブルワーお気に入りのMandarina Bavarinaの優しい柑橘感を足して、すでにライムでも絞ったかのようなビールを目指しました。
また、今回は発酵方法に一ひねり加えており、短期間で作り上げる速醸ピルスナーとなっています。これはヘッドブルワー神谷がアメリカで様々なブルワリーを見学していた際に訪問したAll Season Brewingで教わった技術。そこはLos Angelesのほとんど中心に位置したローカルなブルワリーですが、元Firestone Tireの歴史的建造物をリノベーションして醸造しています。ビール業界で勘の良い方は分かるかもしれませんが、アメリカの有名ブルワリーFirestone Walkerの創業者の一人はこのFirestone家から出ています。ただ、歴史的建造物であるがために換気等の施工が完全にできず、ヘッドブルワーとは大汗かきながら作業して、大きな冷蔵庫の中で一緒に涼んだ思い出があります。その場で教わった醸造方法はしっかりとラガーを作っている方に怒られてしまうかもしれないような作り方ですが、小規模ブルワリーにとってコストを抑えて作れる良い技術だと感じています。これを自分なりに落とし込んでいつか皆様に共有出来たらと考えています。
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